5. スペックの読み方

防じんマスクの性能表示としては、粉じんの捕集効率のほか、呼吸のしやすさなどを表すために、以下のような値が用いられます。それぞれの値のポイントをご説明します。

●粉じん捕集効率(%)
粉じんをどれぐらいろ過できるかを示す値で、%で表わされます。数値が高いほどフィルタのろ過性能が優れていることになります。

●吸気抵抗値/排気抵抗値(Pa)
マスクを装着したとき、呼吸(息を吸う/吐く)がどれぐらいラクにできるかを示す値で、Pa(パスカル)で表わされます。値が低いほど呼吸はしやすくなります。

●吸気抵抗上昇値(Pa)
一定の粉じんがフィルタに捕集されたとき、フィルタの目詰まりによって、どれぐらい吸気抵抗値が上がっているかを示す値で、Paで表わされます。この数値が低いほど、目詰まりしにくいフィルタであるといえます。

●死積(cm3
マスクと顔面の間に生じる空間のことを指し、cm3で表わされます。この値が著しく大きいとマスクの中に吐いた息が多く残り(二酸化炭素濃度が高くなり)、作業従事者の負担が大きくなります。

●ぬれ抵抗値(Pa)
呼気によってマスクが湿った状態で、どれぐらい呼吸しやすいかを示す値で、Paで表わされます。この値が低いほど、使い続けていても呼吸しやすいといえます。

●使用限度時間
厚生労働省は「使い捨て式防じんマスクの機能を損なうことなく使用できる時間」を使用限度時間と定義し、製品にこの時間を表示することを義務づけています。使用限度時間に達したら、マスクを取り替えなくてはなりません。また、決められた時間内であっても、次のような場合には新品と交換してください。

  • マスク本体に著しい変形や破損があったとき
  • 作業に支障をきたすような息苦しさを感じたとき
  • マスクの内側が汚れてきたとき